十字狐
2006年 11月 18日
朝からこんないい標本がとれるならひるすぎは
十字狐だってとれるにちがないと私は思ひながら
それを拾って雑嚢に入れたのでした。
「サガレンと八月」
この画像は≪北海道紋別市郊外山ん中在住 てっちゃん≫のご提供によるものです。
十字狐という狐が本当にいると知ってびっくりしました。
背中に十字模様の斑紋があることからクロスフォックスと呼ばれ、毛皮の業界では珍重されますが、自然界では非常にまれにしか生まれないようです。
当時、樺太では養狐業が盛んで、十字狐も飼育されていました。
賢治が訪れただろうと推察している人もいますが、小沼(現ノポアレクサンドロフスク)にあった樺太庁農事試験場には、林に囲まれた大規模な養狐場がありました。
2006年、夏に我々が訪れたときには、建物は当時のままで、警察大学とロシア・アカデミー海洋地層地質学研究所になっていました。
私は建物の裏手を見て歩きましたが、ひとけがなく、エゾニュウが丈高く茂り、今にも狐が出てきそうでした。
十字狐は赤狐の変種とも、赤狐と黒狐の交配から生まれるともいわれます。
黒狐というのは、赤狐の突然変異の変種だそうですから、いかに珍らしいものか想像できますね。
でも、北海道の十字狐はキタキツネと野生化した銀狐の交配から生まれたのではないかと推測する人もいます。
北海道でも、10年前ぐらいまで養狐業は行われていたそうです。
土地のハンターは、サンケキツネ(三毛狐)とも呼ぶそうです。
明日から1週間ほど旅に出ます。しばらく更新できませんが、また、よろしくお願いいたします。from nenemu