【69】 はきぼだし(ホウキタケ)
2007年 02月 08日
そこは柏や楢の林の中の小さな空地でした。
私はまるでぞくぞくしました。
はぎぼだしがそこにもこゝにも盛りになって生えてゐるのです。
童話 「谷」
ホウキタケ(ホウキタケ科ホウキタケ属)
ハキボダシはホウキタケの方言。ハキは、ホウキの縮まった語、ボダシはモタシともいい、ひろくキノコを指す方言だという。ネズミノアシという別名もある。
ホウキダケは白く枝の先端だけ淡紫色に染まる。「谷」の主人公の私は、理助にだまされて、古い茶色のキノコばかり取らされる。
賢治はこの素材を晩年「秘境」という題で、文語詩に書いているが、そこではホウキダケとしている。
ギュウギュウきのこさんによれば、暗い森の中でもすぐにわかるくらい良く目立つ、サンゴのような美しいきのこだそうです。
イーハトーブに行く機会は多いのに、いまだにお目にかかったことはない。
一度味見をしたいものですね。
ある方からメールをいただいた。
ホウキタケといっても、キホウキタケとハナホウキタケは味見をしないほうがよろしいと。
下痢などおこしやすいそうです。