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【69】 はきぼだし(ホウキタケ)

さあ来たぞ。すきな位とれ。左の方へは行くなよ。崖だから。」
そこは柏や楢の林の中の小さな空地でした。
私はまるでぞくぞくしました。
はぎぼだしがそこにもこゝにも盛りになって生えてゐるのです。
                               童話 「谷」


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画像提供はギュウギュウきのこさん

ホウキタケ(ホウキタケ科ホウキタケ属)
ハキボダシはホウキタケの方言。ハキは、ホウキの縮まった語、ボダシはモタシともいい、ひろくキノコを指す方言だという。ネズミノアシという別名もある。
ホウキダケは白く枝の先端だけ淡紫色に染まる。「谷」の主人公の私は、理助にだまされて、古い茶色のキノコばかり取らされる。
賢治はこの素材を晩年「秘境」という題で、文語詩に書いているが、そこではホウキダケとしている。
ギュウギュウきのこさんによれば、暗い森の中でもすぐにわかるくらい良く目立つ、サンゴのような美しいきのこだそうです。
イーハトーブに行く機会は多いのに、いまだにお目にかかったことはない。
一度味見をしたいものですね。

ある方からメールをいただいた。
ホウキタケといっても、キホウキタケとハナホウキタケは味見をしないほうがよろしいと。
下痢などおこしやすいそうです。
by nenemu8921 | 2007-02-08 17:34 | きのこ | Comments(0)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921