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【123】 ヘリクリサム→ ムギワラギク

バケツがのぼって
鉛いろしたゴーシュ四辺形の影のなかから
いまうららかな波をたゝえて
ひざしのなかにでてくると
そこに -ひとひらー
    -なまめかしい貝ー
   -ヘリクリサムの花冠……
一ぴきの蛾が落ちてゐる
(略) 
              詩〔バケツがのぼって〕

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ムギワラギク(キク科ヘリクリサム属) 麦藁菊
オーストラリア原産。花弁状に発達したのは総苞片で、花弁ではない。
乾燥に強く、昔からドライフラワーに使われてきた。
別名をヘリクリサム、帝王貝細工ともいう。

ゆがんだ四辺形は井戸のことである。ひきあげたバケツの中に、
水がゆるやかな波をたて、貝殻のようなムギワラギクの花びらがひとつ浮いている。
かと思ったら、……それは一ぴきの蛾だった!!
下書き稿や前後の詩句を勘案して読めば、そんな意味だ。

ムギワラギクの光沢!とまがう蛾とは、どんな蛾だったのだろう。
by nenemu8921 | 2007-05-02 01:11 | 植物 | Comments(0)

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