【123】 ヘリクリサム→ ムギワラギク
2007年 05月 02日
鉛いろしたゴーシュ四辺形の影のなかから
いまうららかな波をたゝえて
ひざしのなかにでてくると
そこに -ひとひらー
-なまめかしい貝ー
-ヘリクリサムの花冠……
一ぴきの蛾が落ちてゐる
(略)
詩〔バケツがのぼって〕
ムギワラギク(キク科ヘリクリサム属) 麦藁菊
オーストラリア原産。花弁状に発達したのは総苞片で、花弁ではない。
乾燥に強く、昔からドライフラワーに使われてきた。
別名をヘリクリサム、帝王貝細工ともいう。
ゆがんだ四辺形は井戸のことである。ひきあげたバケツの中に、
水がゆるやかな波をたて、貝殻のようなムギワラギクの花びらがひとつ浮いている。
かと思ったら、……それは一ぴきの蛾だった!!
下書き稿や前後の詩句を勘案して読めば、そんな意味だ。
ムギワラギクの光沢!とまがう蛾とは、どんな蛾だったのだろう。