【127】 きちがひなすび まむしさう とりかぶと
2007年 05月 08日
さうしてこゝは特に地獄にこしらへる
愛嬌たっぷり東洋風にやるですな
鎗のかたちの赤い柵
枯木を凄くあしらひまして
あちこち花を植ゑますな
花といってもなんですな
きちがひなすび まむしさう
それから黒いとりかぶとなど、
とにかく悪くやることですな
詩「国立公園候補地に関する意見」
チョウセンアサガオ及びその仲間は、同じナス科のハシリドコロ、ヒヨス、ベラドンナと同様にスコポラミン、ヒヨスチアミンなどのアルカロイドを含む。ヒヨスチアミンは抽出するとラセミ化してアトロピンになる。アルカロイドは全草に含まれるが、特に種子の含有量が多い。これらのアルカロイドは抗コリン作用を有するため、分泌腺や平滑筋を抑制し、摂取すると口渇、散瞳、心悸亢進、尿閉、消化管運動の減少などが起こる。
スコポラミンには緩和な中枢抑制作用があり、1804年に華岡青洲がこの植物から麻酔薬を作り全身麻酔下で乳ガンの摘出手術をしたことで有名である。多量に摂取すると、意識喪失、呼吸停止を起こし死亡することもあるが、消化機能の抑制のため致死量を摂取するに至ることはまず無いといわれている。経口致死量は4~5gとされている
キダチチョウセンアサガオはエンゼルトランペットの名前で流通している。
偽茎に蝮(マムシ)を思わせるような斑紋があり、仏炎苞の形も蛇を思わせること、そして紫色を帯びていることからこの名がある。
山地の林下に生える多年草。有名な有毒植物。主な毒成分はアルカロイドの一種、アコニチンで、全草(特に根)に含まれる。このため、食べると嘔吐や下痢・呼吸困難などから死に至ることもある。 山菜のニリンソウやヨモギと間違えて食べた事故(死亡例もある)が報告されている。花の蜜や花粉にも毒が含まれ、蜂蜜でも中毒例がある。このため、養蜂家はトリカブトが自生している所では蜂蜜を採集しないか開花期を避ける。また、アイヌが狩に使う矢毒として用いたとされる。
詩句は昨日の続きである。
焼き走りの荒涼とした景観にふさわしい植物として、有毒植物のチョウセンアサガオやトリカブト、不気味なマムシグサなどをあげているのである。
実際、植物ファンとしては、みな魅力的な草花だけれど。
白い花を咲かせる幽玄なチョウセンアサガオは華岡清州の話で有名ではありましょうがトリカブトとの毒性を持つものであることを、マムシグサは奇妙な形から、なんでしょうか、それをもって地獄のようにと言わんとする気持ちは国立公園指定候補を環境破壊とみなした先見の明ということなんでしょうか。そうだとしたらなんという聡明さを持っていたんだろう。
本当に宮沢賢治って、すごいですね。
見識が広いだけでなく、ユーモアのセンスがあることが魅力ですよね。
チョウセンアサガオの白い花の写真が出てこなくて、今回はこれを使いました。(ーー;)
私の下ノ畑でも、栽培したのですが、越冬できませんでした。