イーハトーブの名のない草花たち その④
2007年 06月 20日
マイズルソウ(ユリ科マイズルソウ属)舞鶴草
高さ10~25cmの多年草。亜高山帯の針葉樹林下にいちめんに群生していることが多い。今回はあちこちで可憐な白い花を満喫した。葉脈の曲がり方を鶴が翼を広げて舞っている姿に見立てた名だという。夏の終りには赤い実が目立ち、そのほうが存在感がある。
ベニバナイチヤクソウ(イチヤクソウ科イチヤクソウ属)紅花一薬草
高山の森林内に生える常緑の多年草。群生することが多い。
ギンラン(ラン科キンラン属)銀蘭
キンランに似た花だが、白色の花をつけることからこの名がある。山地や丘陵地の林内に生える多年草。蘭というゴージャスなイメージに遠い花だが、気品がある。
クリンソウ(サクラソウ科サクラソウ属)九輪草
山地の湿り気のあるところに生える多年草。観賞用に栽培されていることも多く、台の民家の庭先で園芸種も多く見かけた。これは小岩井の奥で撮影したもの。
コバイケイソウ(ユリ科シュロソウ属)小梅蕙草
亜高山地帯から高山地帯にかけての日あたりのよい少し湿ったところに生える多年草。茎は高さ50~100cmになる。早池峰の頂上近くにこの花の見事な群落があるが、8月でないと見られない。小岩井の奥で、小さな群落を見つけたが、まだ花はつぼみが多く、日あたりのよい場所で開いた花を見つけた。
ヤマオダマキ(キンポウゲ科オダマキ属)山苧環
深山に生える多年草。くらかけ山の麓で、大きな群落に出会った。昨今では園芸種の華麗なオダマキをあちこちで見かけるが、ここで風に揺れていた花は素朴だった。ミヤマオダマキは花弁が青紫色で美しい。けれども、賢治作品には、どちらも登場しない。
岩手山を何度も登り、小岩井周辺をたびたび散策したという賢治であれば、ここで紹介した植物はどれも目に留めていたと思う。作品に登場しないのは残念である。一つ一つに心を引かれながらも、文学の素材としては描ききれなかったのだろうか。
ゆきねこさんのコメント「アナグマ先生のモーリオにおける講演会」はこちらをどうぞ。
ゆきねこさん、話題提供ありがとうございます。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20070620_8
また、洞熊先生(アナグマ)はこちらです。
ところで、6月19日のいわて日報にこんな記事が http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20070620_8 どうやら昨夜、モーリオにてアナグマ先生の講演会があったようです。