ノブドウ←メクラブドウ
2007年 09月 24日
そこでめくらぶだうの青じろい樹液は、はげしくはげしく波うちました。
さうです。今日こそ、ただの一言でも、虹とことばをかはしたい、丘の上の小さなめくらぶだうの木が、よるのそらに燃える青いほのほよりも、もっと強い、もっとかなしいおもひを、はるかの美しい虹に捧げると、ただこれだけを伝へたい、ああ、それからならば、それからならば、実や葉が風にちぎられて、あの明るいつめたいまっ白の冬の眠りにはひっても、あるひはそのまま枯れてしまってもいいのでした。
童話「めくらぶだうと虹」
ノブドウ(ブドウ科ノブドウ属)野葡萄
北海道から沖縄まで分布するツル性落葉多年草。
果実は、ブドウタマバエやブドウガリバチの幼虫の寄生(虫えい)により、虫こぶ状になり、形も大小様々で、色も白緑色、淡紫色、瑠璃色、赤紫色など変化に富んでいる。
メクラブドウとはノブドウの方言。実が盲人の目玉に似ているというのでこう呼んだ。
賢治はこの美しい実を地上の虹と見立て、天上の虹と対照させている。
賢治祭で花巻を訪ねた。
在来線の花巻駅近く、ススキが生い茂る線路脇で、ウルシの樹木に絡まったノブドウを見つけた。色づき始めたばかりだった。
じつはまだノブドウを見たことがありません。一度実物を見てみたいです。それにしてもこの色から虹を連想出来るだろうか。
ノブドウは見沼にもあると思います。
もう10日もすれば、もっとカラフルになります。
草木おぼえがきの宇都宮貞子さんは、この色の乱舞は染め方の見本帖みたいだと言っています。
虹とは、いかにも賢治的です。
めくらぶどうの実は虹の美しさ、立派さにあこがれています。
いずれ枯れてしまうわが身を嘆きます。
虹は「どんなものでも変らないものはないのです」といい、すべてのおとろえるもの、しわむもの、さだめないもの、はかないもの、すべてがかぎりないいのちだと諭します。
虹と木の実の会話ですが、禅問答のようでもあります。(*^_^*)
吾亦紅、拝見しました。とても好きな植物ですが、あんなすばらしい写真は撮れませんねえ。
おなかをこわしますよ。
でも、このツルを根元から3寸くらい上がったところで切って、切り口を空のペットボトルの中へ入れておけば、切り口からどんどんと水が落ちて、2時間くらいでいっぱいになります。沢に近いところのものは良く出ます。
透明で、ちょっと渋い、すべらっこい水だそうです。
山の天然水といったところです。
これ、宇都宮貞子さんの受け売りですが…。
お試しください。