鹿踊り

そのとき西のぎらぎらのちぢれた雲のあひだから、夕陽は赤くななめに苔の野原に注ぎ、すすきはみんな白い火のやうにゆれて光りました。
私が疲れてそこに睡りますと、ざあざあ吹いてゐた風が、だんだん人のことばにきこえ、やがてそれは、いま北上の山の方や、野原に行はれてゐた鹿踊りの、ほんたうの精神を語りました。
                                     童話「鹿踊りのはじまり」


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鹿踊り
郷土芸能の一。宮城県北、岩手県南に広く分布し、ことに花巻あたりでは、剣舞と並んで今は観光名物となっている。鹿の頭をかぶり、腹に太鼓をつけて打ち鳴らし、おおむね、八頭一組になって踊る。背から頭上高くつけた小紙片つきの一対の竿の白い割竹(ささら)の動きが見もの。全国的に見られる獅子舞、或は太鼓踊りの一種と言われる。古典にも多く出てくるので、その由緒は古い。盆には供養と悪魔払いに、社寺の秋祭には収穫を祝って、町や村の家々を門付けして回った。演目には供養歌、ほめ歌等の入る礼踊りのほか、女鹿かくし、鉄砲踊り、案山子踊り等、鹿のイメージ豊かな曲目もある。童話「鹿踊りのはじまり」は案山子踊りがモデルだという説もある。
と、「新宮沢賢治語彙事典」には解説されている。

画像は今年の賢治祭の折、花巻農業高校の生徒さんたちで演じられた鹿踊りです。
(ひどい画像で恐縮です)
Commented by マルメロ at 2007-09-26 00:14 x
一つ前のホンシュウシカの立ち並ぶさまとこの鹿踊り野林立するササラの白とがまさにこの詩の主人公に重なりますね。いい写真です。胸に抱いた太鼓に撥(バチ)当てて軽やかに踊る盆踊りにさんさおどりもありますがこの鹿踊りの流れを組む盆踊りなのでしょうかイーハトーブ県北山あいにある母の里で踊り狂った少女時代も合わせて思い出します。鹿踊りには興味尽きません。
Commented by nenemu8921 at 2007-09-26 02:53
さんさ踊りもいいですね。一昨年、ゆっくり見ましたよ。次から次へと盛大でした。マルメロさんも踊ったのですね。
鹿踊りは勇壮で、動きが激しく写真は難しいです。
まして、夜、かがり火のもとでのスナップですので……(ーー;)
Commented by オキザリス at 2007-09-26 08:07 x
高校生が郷土芸能ですか?
いいですね。クラブ活動の一つですか?
かなり激しい運動でしょう。
Commented by nenemu8921 at 2007-09-26 22:38
伝統文化を若い世代が引き継ぐことはすばらしいと思います。
女子も参加しています。
あのササラは重いでしょうね。
by nenemu8921 | 2007-09-25 23:54 | その他 | Comments(4)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


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