地蔵菩薩
2008年 07月 26日
そこではしづかにこの国の
古い和讃の海が鳴り
地蔵菩薩はそのかみの、
母の死による発心を、
眉やはらかに物がたり
孝子は誨へられたるやうに
無心に両手を合すであらう
(略)
詩 506〔そのとき嫁いだ妹に云ふ〕
和讃は和文の七五調の仏をたたえる歌。(漢文調の漢讃に対しての語)
これを節づけて詠唱するのが御詠歌。
地蔵菩薩は、釈尊の入滅後、弥勒仏の出生するまでの間、無仏の世界に住して六道の衆生を教化救済するという菩薩。
嫁いだ妹の幼子が手を合わせるのは、こんな地蔵がいかにもふさわしい気がする。
「春と修羅」第二集の作品である。
盛岡市郊外天峰山の尼寺にて出会った地蔵たち。
和讃の海とは、詠唱の声が海鳴りのようにひびくということですか。
心にしんとくる詩句であり、それにふさわしいいい写真です。
寂しげで、でも安らかないい雰囲気です。
海鳴りか、波の音か。そんなところでしょうね。
でも、和讃の海というと、いかにも大勢の人の朗唱のうねりが感じられますね。
地蔵菩薩とはどんな菩薩像なのか、具体的に調べたわけではないのです。
このお地蔵様を見たときに、この詩句が思い浮かんだので。
ただ、写真がイメージよりうまく撮れなかった。
とてもいい被写体なのに、構図が難しかったです。
並び方も不思議だし、ブルーの頭巾とあぶちゃんも…寂しげですね。
これが赤い色だとだいぶ感じが変わるのでしょうが、お地蔵様が悲しげに見えてしまいますーー;
でもなぜか心惹かれる不思議な写真ですね(*^^)v
夢のようだとはさすがの感想ですね。
フランス菊です。帰化植物の進出で困っている関係者も少なくないようです。
被写体としてはとても面白いと思いましたが、構図のとりようがなかった……。
残念でした。