賢治が教え子の就職依頼のために細越健を訪ねた王子製紙の大泊工場は、廃墟化し、残されたままの巨大な建物は閑散としていた。その敷地内の空き地や、市内の道端などでしばしば目についたゴボウのようなアザミのような植物。
栽培種のゴボウが野生化したものか?
ゴボウか? エゾノサワアザミか?
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エゾノキツネアザミ(キク科アレチアザミ属) 蝦夷狐薊
だと思うのですが…。郊外の草地で。
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やはり道端や空き地でよく見かけた植物だが、同定できない。
色違いの花もあった。
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# by nenemu8921 | 2007-01-02 00:02 | 植物 | Comments(4)

【50】 カラフトの花 5

オクエゾガラガラ(ゴマノハグサ科オクエゾガラガラ属)奥蝦夷がらがら
北海道の植物図鑑や高山植物の図鑑でも出ていなかった植物。
ネットで検索を続けるうちに、ほぼ同じ時期に中部大学サハリン植物調査隊というグループがサハリンを訪れ植物観察の記録を残し、ネットで発表しているのに遭遇して確認できた。
カナディアンロッキーの高山植物、スイスの高山植物でも、登場する。
宮沢賢治もこの植物を目にしただろうか?
詩「鈴谷平原」のなかで、
 「こんやはもう標本をいつぱいもつて
 わたくしは宗谷海峡をわたる
」と言っている賢治だが……。

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# by nenemu8921 | 2007-01-01 02:11 | 植物 | Comments(0)
ホザキナナカマド(バラ科ナナカマド属)穂咲七竃
ナナカマドの木は、公園や街路樹にも多かった。
州都ユジノサハリンスク(旧豊原)のサハリン州立博物館の庭で、人々の喧騒をよそに、誰にも注目されずに華やかに咲いていた。
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チェホフ記念館の庭で
青い実がついていたこの樹木の名はわからない。
どなたか、ご存知の方がいらしたら、教えてほしい。
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サハリン現代美術館の前にもチェホフ像があり、その背後で見かけた樹木。
名前はわからない。ナツメの種類だろうか。
さくらんぼのように見えるが樹木は桜ではなかった。
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# by nenemu8921 | 2006-12-31 00:30 | 植物 | Comments(0)
ミヤマキンポウゲ(キンポウゲ科キンポウゲ)深山金鳳花
サガレンでは平地で日本の高山植物が見られる。
レーニン広場で雑草のように咲いていた。
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エゾオオヤマハコベ(ナデシコ科ハコベ属)蝦夷大山繁縷
大型のヤマハコベの意。レストランの駐車スペースの空き地で。
この国は都市の大通り以外はほとんど舗装されていないので、いたるところ空き地には、
草が茂っていて、その多くは日本の高山植物である。
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マシケオトギリ(オトギリソウ科オトギリソウ属)渡島弟切
北海道西南部に分布しているオトギリソウの仲間だが、ここでは誰にも注目されずに咲いていた。
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# by nenemu8921 | 2006-12-30 09:51 | 植物 | Comments(2)
いちめんのやなぎらんの群落が
光ともやの紫いろの花をつけ
遠くから近くからけむつてゐる
           詩「鈴谷平原」

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ヤナギラン(アカバナ科ヤナギラン属)柳蘭
日本国内の山で出会うヤナギランは楚々とした印象があるが、群落になると壮観である。
蘭といってもランの仲間ではなく、柳といっても葉が柳の葉に似ているということでネーミングされたという。
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エゾノコギリソウ(キク科ノコギリソウ属)蝦夷鋸草
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ノコギリソウ(キク科ノコギリソウ属)鋸草
これはチェホフ記念館の庭で手入れもされずに咲いていた。
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キタノコギリソウ(キク科ノコギリソウ属)北鋸草
別名ホロマンノコギリソウ(幌満)鋸草)ともいう。稚内の宗谷岬周辺の草地で見つけた。
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# by nenemu8921 | 2006-12-29 02:33 | 植物 | Comments(0)
教え子の晴山亮一(大正12年3月卒業)は、後に次のように、
賢治から聞いた話を思い出話として語っている。
「いろいろ話の中に、カラフトへ行った話がありました。
夏休みにカラフトへ行ってきたが、カラフトは花の匂いがよくて、
とてもよいところだったと言いました。」
              森荘已池『宮沢賢治の肖像』より
 

サガレンでは多くの野草に出会った。それらの多くは宮沢賢治も83年前に目にしたものだと思われる。
この国の自然はそれほど大きく変わってはいないのだ。
下手なデジカメのスナップで恐縮だが、サガレンと北海道稚内でであった植物を順次紹介したい。

エゾクガイソウ(ゴマノハグサ科クガイソウ属)蝦夷九蓋草。
樺太鉄道の車窓から目立ったのは、ヤナギランとこのエゾクガイソウである。
クガイソウは早池峰でも出会ったことがあるが、こちらのは草丈がはるかに大きい。
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エゾムラサキニガナ(キク科アキノノゲシ属)蝦夷紫苦菜
花は、ハーブのチコリによく似ているが、葉を見ると、ニガナの仲間だと納得。
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ヤマハハコ(キク科ヤマハハコ属)山母子
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チシマヒョウタンボク(スイカズラ科スイカズラ属)千島瓢箪木
花も実も、双子の星のように。
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# by nenemu8921 | 2006-12-28 21:46 | 植物 | Comments(0)

【45】 栄浜駅舎跡

大正12年8月4日〈土〉
詩「オホーツク挽歌」の舞台になっているのは、当時の栄浜海岸〈現在のスタロドゥブスコエ〉である。
宮沢賢治は、前日、大泊〈現在のコルサコフ〉発13:10の樺太鉄道東海岸線に乗車して、栄浜到着は
18:20。当時、このあたりで一番大きな旅館、山口旅館に宿泊しただろうと推測されている。
当時の栄浜周辺はアイヌ部落が多く、又この時期は、ニシン漁で人の賑わいも多かったという。
われわれが訪れた平成17年の夏には、鉄道は落合〈ドーリンスク〉までで、栄浜までの路線は廃線となっていた。ドーリンスクで樺太鉄道から貸切のバスに乗り換えての旅だった。
栄浜の駅舎跡は土台石だけが雑草に埋もれ、形もなく、鉄道レールもなく、枕木だけが朽ちて、残されていた。
かわいい少女が屈託のない表情で、われわれに話しかけてきた。

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名前を聞くと、勘違いして犬の名前を教えてくれた。

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朽ちていく枕木。平成16年の夏にはまだレールもあったという。

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小さな小屋に当時の駅で使っていたという日本式のつるべ井戸があった。いまも近所の民家の人たちは使っているという。宮沢賢治もここで水をのんだだろうか。
# by nenemu8921 | 2006-12-26 22:36 | 場所 | Comments(0)
五匹のちひさないそしぎが
海の巻いてくるときは
よちよちとはせて遁げ
  (ナモサダルマプフンダリカサスートラ)
浪がたひらにひくときは
砂の鏡のうへを
よちよちとはせてでる
         詩「オホーツク挽歌」


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ミユビシギ(チドリ目シギ科)三趾鴫
〈ちひさないそしぎ〉は、標準和名のイソシギのことではなく、小さな磯のシギという意味である。
ミユビシギは波打ち際を数羽から数十羽の群れで、チョコチョコと小走りに行き来して採食する。
賢治の表現は、鳥の習性を的確に美しく捉えている。バードウォッチャーが読めば、すぐにこのミユビシギを思い浮かべることだろう。
ミユビシギは、日本列島では旅鳥だが、樺太のツンドラで短い繁殖期に連続して二つの巣をつくる「複式営巣」を行うという。
画像は九十九里海岸でぐうぜん出遭った光景だが、挽歌のステージを喚起させた。

〈ナモサダルマプフンダリカサスートラ〉は、南無妙法蓮華経のサンスクリット読み。
妹からの通信は来ない。なんというあるがままの自然だろう。
鳥の姿を見て、思わず唱えたお題目である。

イソシギ
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画像提供はfieldnoteさん

イソシギ〈チドリ目シギ科〉
イソシギは海岸の岩場、防波堤などでよく出会う。単独でいることが多い。
歩くときは尾を上下に振り、けいれんするように翼を動かして低く飛ぶ。
「宮沢賢治語彙辞典」では、このイソシギとして解説しているが明らかな間違いである。


白鳥湖
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この「オホーツク挽歌」の舞台、栄浜の北には、白鳥湖と呼ばれる美しい沼地が広がっていた。ツンドラ地帯である。
賢治がそこまで脚を伸ばしたかどうかは不明である。
# by nenemu8921 | 2006-12-25 01:12 | 鳥・動物 | Comments(0)

【43】 硝子笛を吹いて

空があんまり光ればかへつてがらんと暗くみえ
いまするどい羽をした三羽の鳥が飛んでくる
あんなにかなしく啼きだした
なにかしらせをもつてきたのか
わたくしの片つ方のあたまは痛く
遠くなつた栄浜の屋根はひらめき
鳥はただ一羽硝子笛を吹いて
玉髄の雲に漂つていく
                  詩「オホーツク挽歌」

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キアシシギ(チドリ目シギ科》黄足鴫
大正12年8月4日、樺太の栄浜海岸である。浜辺に腰を下ろして海を見つめ、空を見つめ、逝ってしまった妹からのしらせを待つ詩人のもとに訪れた三羽の鳥は何か
するどい羽、かなしい啼き声、硝子笛を吹くようにひびくその啼き声……。
三羽であることから、カモメやアジサシではなく、シギではないかと思われる。
キアシシギは飛翔時、広げた羽はシャープで、その声はピューイ、ピューイと本当に硝子笛のように響く。
旅鳥。4~6月にかけて日本列島の干潟、入り江、海岸の岩場、川岸、中洲などに多数飛来する。そして樺太、シベリアで繁殖し、夏の終わりに日本列島に立ち寄って、南へ帰るのである。
詩人は頭痛に襲われ、硝子笛から通信を受け止めることは出来なかったが……。
# by nenemu8921 | 2006-12-24 01:12 | 鳥・動物 | Comments(0)
どっどど どどうど どどうど どどう、
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいくゎりんもふきとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう
            童話「風の又三郎」


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カリン(バラ科ボケ属)花櫚
広く庭園に植えられている落葉高木。花期は4~5月。果実は芳香があり、薬用。
最近では果実もスーパーなどで見かけ、庭木としても普及したが、賢治の時代はなじみがなかった。
昭和15年に公開された日活映画、島耕二監督の映画「風の又三郎」では、「甘いりんごも~、すっぱいりんごも~」と歌っていたように記憶している。
宮沢賢治という名も知らぬまま、小さな神社の境内で、この映画を妹と見た記憶がある。
昭和30年ごろだったと思う。小学校の1年生くらいのときだ。
# by nenemu8921 | 2006-12-21 01:25 | 植物 | Comments(7)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921