友人の中谷俊雄さんから最近いただいたご著書を紹介したい。
『イーハトーブの博物誌』(百年書房)
宮沢賢治研究会の会報誌「山猫通信」に毎回起稿した原稿ををまとめたものです。
賢治文学には度々「えなめるの空」「玉髄の雲」などと、日常言語では具体的イメージがつかめにくい用語が頻出しますね。それらの賢治文学の博物用語をエッセイ風に。いともも簡潔に的確にまとめた文章で読んでいても気持ちいいものです。。山猫通信にはなかったカットと賢治作品の原文もいれて編集してあります。この表紙は山猫ですね、中谷さんは山猫に出会ったのかな?裏表紙は雷竜のようです。夢で出ったのでしょうか。宮沢賢治語彙辞典には
多くのまちがいがあることを中田さんは「間違いの多い宮沢語彙辞典」という論文で指摘していますが。こちらは安心して読めます。、
内容はこんな感じです。
『木の博物誌ー水元公園で見られる樹木ー』中谷俊雄著/百年書房/こちらは中谷さんが所属するみずもと自然観察クラブの会報誌「かいつぶり」で連載している植物に関する記事をまとめてへんしゅうしたもの。自然観察会の記録でもあります。
賢治作品にはたくさんの樹木が登場することは周知のことでありますが、それらの植物を知らずして賢治文学を語ることなかれ。これをお手元に置いて作品を読み返せば、あるいはみず元公園」に出かけて樹木と向き合って、賢治作品を読み返せば、きっと賢治文学が身近なものになるでしょう。
「かいつぶり」は、最近、会の代表でもあるネイチャー写真家の五十嵐吉夫さんの写真が表紙を飾っていて、これも見ごたえがあります。
少し紹介しますね。
セイタカシギの幼鳥が初めて水元公園に姿を見せた。その翌朝、オオタカに捕食されたシーンを捉えたもの。
都市公園の中でも動植物のに生態系は無慈悲にも機能しているのです。
水元公園内の川辺に浮かぶカンムリカイツブリ。繁殖期特有の美しい姿を都市公園で見られるとはすごいです。
水元公園は貴重な自然とのふれあいの場です。水元観察クラブでは発足当時からこのように活動してきました。
私達はこの自然を観察し、体験しながら水元の自然、葛飾の自然を守り育てることを考え、次の世代を担う子どもたちにも自然の大切さを伝えていこうと思います。