タグ:グスコンブドリの伝記 ( 2 ) タグの人気記事

稲刈りーオリザ刈り

(略)
「さあ、おれのところではもうオリザ刈りをやるよ。」
主人がまた笑いながら云ひました。
次の朝主人はうちぢゅうみんなをつれて沼ばたけへ出て行ってすっかり
水の落ちた沼の上を歩いて片っぱしからオリザの株を刈りはじめました。
                童話「グスコンブドリの伝記」
c0104227_19400015.jpg

イーハトーブでは、稲はオリザであり、田んぼは沼ばたけである。
稲刈りはオリザ刈りだという。
c0104227_19541801.jpg

オリザは稲の学名oryza sativaからのネーミング。稲はイネ科イネ属イネである。
宮澤賢治はネーミングの達人だった。呼び名を変えることで世界は変換する。
オリザ、オリザサチバという語は賢治の詩作品にも頻出する。
c0104227_19331925.jpg


ブドリの世界と違って、郷里の山里ではたわわにオリザは実り、平和な稲刈りの風景が見られた。
赤城山麓である。稲架は珍しい光景になった。
思わず、車を止めて声をかけ、撮影させていただいた。
田の畦にはヒガンバナが盛りだった。
c0104227_19461013.jpg


c0104227_19492988.jpg

by nenemu8921 | 2018-09-26 22:53 | 植物 | Comments(10)

榧(かや)の実

成田山へ火渡りの撮影に行った折、境内で立派な榧の木を見つけた。
落果して踏まれた実が、小雨に溶けて、周囲をさわやかな香りに染めていた。
独特の香りである。(でも、誰も気に留めていませんでしたが…)

あるとき狸が榧の実をひろはうとおもってがさがさ林のなかをあるいてゐた。(略)
                          童話「寓話 洞熊学校を卒業した三人」

c0104227_15372539.jpg


c0104227_15375767.jpg


ひかげのかつらで冠をこしらえたりくるみや榧の実をひろったり、木いちごの実をとったり、(略)
                              童話「グスコンブドリの伝記」下書稿


c0104227_15383022.jpg


c0104227_15384653.jpg


「まあご飯を食べやう。今夜一晩油に漬けて置いて見ろ。それが一番いゝといふ話だ。」といひました。
(略)
お父さんは
「どれ油を出してやるかな」と云ひながら棚からかやの実の油の瓶をおろしました。
                                    童話「貝の火」

c0104227_15391581.jpg


c0104227_15392862.jpg
カヤ(イチチ科カヤ属)
Torreya nucifera 榧

種子は食用となる。あく抜きをして炒ったり、囲炉裏の灰で焼いたりして食べるという。
刻んでクッキーに入れたらおいしそうである。
c0104227_1629789.jpg


果実を絞った油は高級な油だが、最近ではなかなか入手しにくいとのことである。
淡路町には昔から榧の実油で揚げたてんぷらを食べさせる店がある。
c0104227_16295741.jpg


宮沢賢治の時代には胡桃と同様に、素朴な山の幸だったのだろう。

ネットで検索するとなんでも画像が出てくるのが現代である。そしてなんでも商品化されている。
by nenemu8921 | 2015-10-11 16:59 | 植物 | Comments(10)

宮沢賢治の愛した鳥や植物


by nenemu8921
プロフィールを見る
画像一覧
通知を受け取る